任意整理、その展望を探る
まず、販売会議で返品削減の意識づけを行い、次に意識レベルから実行レベルに移す段階で、返品金額を集計した「担当・管理者別得意先別返品金額推移表」を作成した。
メーカー別の返品管理だけでは返品についての数値的な実態把握に終わってしまう。
そこで、得意先ごとに担当セールスマンとその管理者(上司)の両者から返品額の改善活動の数値を提出させている。
この表を全社員に公開し、返品金額の削減活動を推進している。
さらに、A社では「お取引に関するお願い状」を作成し、“返品はご容赦下さい”とPRしている。
その効果は正確に測定できないが「A社は返品問題や取引条件等を真剣に考えている企業」と、得意先小売店から高い評価を得るようになっている。
なお、A社の返品処理内容は概ね次のような割合となっている。
①メーカーへの返品65%、②再生による再販売22%、③廃棄5%、④社内販売3%、⑤その他5%。
合法的トータル流通システムの構築卸売業は一般的に、メーカーに返品する割合が高い。
当然、一部を除きほとんどのメーカーは、卸売業からの返品に対しペナルティを課さずに受け入れている。
ここに、わが国流通における商取引の特徴である“なれ合い性”が垣間見える。
したがって、メーカーは季節商品など返品率が高い商品については相応の返品受け入れコストを考慮した売価を設定している可能性があると指摘できる。
また、卸売業においても、返品対象の商品を引き取る場合、一店舗当たり数千円のコストがかかっている。
これに持ち帰った後の値札はがしや商品のダメージーチェツク、さらにメーカー別返品対象商品の仕分けなど、返品作業にかかわる専任担当者を数名設置すると返品処理コストは膨大な額にのぼる。
現在は、必要悪としての賞味期限切れ商品が消費者の手元に渡る前に、小売業から返品される時代となっている。
当然、消費者の実勢に合わせた公正価格の設定も返品を減少させる大きな要因となりうる。
そのため、メーカーは各流通段階に合わせて適正価格を設定できるようオープンプライス制の導入などを検討することが迫られている。
生産した商品をただ川下に向けて押し流す時代から、店頭で売れる商品、または消費者の欲する商品を生産する時代へと流通は逆転している。
計画的生産体制を確立し、過剰生産を抑制することが重要となっている。
以上、逆流する流れに合わせた流通の仕組みをメーカーも卸売業も構築しなければ、返品問題は根治しないだろう。
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